2004.10.8作成
MC恋塚太世葉
http://www.h5.dion.ne.jp/~pee wee
9/20から1週間ほど休暇を兼ねフランスを外遊した。華やかな国のブライ ダル事情把握を目的に各地を視察した。しかし華やかと思いきや、カトリッ ク圏では厳粛な考え方での結婚式が行われている。また、両家の宗教のぶつ かり合い、カトリック教徒の再婚の場合など、人前式が行われる頻度も多い。 以下に報告を兼ね、フランスのブライダル事情を紹介する。
フランスも欧州にもれず、教会+レス トラン等のレセプション(披露宴)会場という形態の結婚式が大半である。 フランスはプロテスタントを追放した歴史があり、現在では第一宗教宗派は カトリック、次に多いのがイスラム教であるが、当然プロテスタントの教会 も各地で目にすることもできる。
キリスト教に於いて、教会は本来結婚 式をするための場所ではなく礼拝をする場所である。日曜の午前はミサが最 優先である。またホテルもウェディングレセプションパーティをビジネスと しては考えておらず、当然婚礼予約なるセクションもない。チャペルを備え た専門式場など存在しない環境の中、ウェディングはプロデュース会社が手 がけるのが一般的となる。
新郎新婦は、教会での式のあと、宴会 場へ移動が必要となる。自然が大好きなヨーロッパ人に、道の混んでいる街 中のホテルへ移動する理由は何もない。そんなことからリゾートウェディン グの割合も多いと言える。リゾートウェディングは親戚や友人も引き連れ郊 外へ移動し1泊する形態で、前夜祭ディナー、翌日 の昼間に式、その後にレセプションといういわゆるDestination Wedding(ディスティネー ションウェディング)が一般的である。ホテルの従業員がぼ やいていたが、レセプションは真夜中まで続く場合もあるという。
シャトーと言って中世貴族の宮殿・お 城が今でも多数(国内に60,000戸あるらしい)残っており、今では維 持できなく多数売りにも出されている。専門結婚式場のないフランスに、日 本の資本で購入し、日本人向けにプロデュースし、宿泊設備を供えたハウス ウェディング会場を作ったらどうなるかシミュレーションしてみた。中古の シャトーは最低3,000万円ぐらいから購入が可能である。し かし、それは半壊の廃屋状態であり、土地を買うようなものらしい。一般的 に住めるお屋敷というと2億円が相場だというが、中古 2億円のシャトーレベルであれば修復、装飾で、+4億円程度かかるようである。年間の維持費が数百万円、人件費を加え ると1年で1,000万円を超える 計算になる。年間30組以上のweddinngを誘致しても採算が合わないであろう。
神聖な教会、そして、郊外のホテル、 オーベルジュ、レストランがレセプションの舞台ということで、今回の視察 にて教会、そしていくつかのホテル、またブライダルサロンを訪問した。次 葉以降に、写真を使って解説をする。教会の写真については日本でのホテル 付帯のチャペルと見比べながらイメージして頂ければ今後のビジネスの参考 にもなるだろう。
以上
恋塚 太世葉(こひづかたせは)
・ ブライダルMC
・ 全米ブライダルコンサルタント協会認定 プロフェッショナルウェディングヴェンダー
・ ヒューマンアカデミ ブライダルプロ デュース講座 講師
・ 著書:ブライダル司会ハンド ブック、
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添付
都市名:パリ
場所:ラファ イエットデパート内ブライダルサロン
左:お店のディスプレー。 CYMBELINE LAFYETE MARIAGEというプロデュース会社。
右:衣装コーナーの入り口。
左:サロンの打ち合わせ風景。手前二 組は新郎新婦、こちら側を向いている奥2名がプランナーさん。
右:リゾートウェディングの可能な場 所の一覧。パリで勧誘しリゾートへ誘導するウェディングスタイル。
左:衣装コーナーだが奥にオーダード レスを作っている様子が見える。
右:左写真のアップ。
都市名:パリ
場所:プランタンデパート内ブライダ ルサロン
こちらは衣裳中心のコーナーであった。
このディスプレーの衣装は週代わりで 変えるそうだ。
都市名:パリ
場所:Edelweissドレスショップ(子供用専門)
欧米では挙式に、フラワーガール、ト レーンベアラー、リングベアラーなどで子供も登場するため、子供衣装ビジ ネスも花盛りである。
都市名:シャ
ンティ
場所:ホテル シャトー ド モンヴィランジェンヌ(宿泊した)
旧貴族の屋敷であるシャトーを改装し、 現在はホテルとして営業している。
ホテル外観
レセプション会場
左:ホテル内にはブライダルサロンは なく、プロデュース会社の宣伝ショーケースがあった。
右:ショーケース右下の写真の拡大。
以下教会、チャペルを紹介する。合計 で15の教会堂を見学したが、撮影可能で見栄えのする9箇所を紹介する。
都市名:ロワー
ル
場所:シュノ ンソー城
貴族のお城内にあるチャペル。貴族の 城ということでステンドグラスなど装飾が華やかである。
マリアはカトリックの象徴でもある。
都市名:モン
サンミッシェル
場所:モンサ ンミッシェル修道院
修道院であることから一切余計な装飾 はない。
都市名:ルー
アン
場所:ノート ルダム大聖堂
ノートルダムとは「聖母マリア」の意 味。大聖堂クラスになると、そう簡単に結婚式など挙げさせてくれない。
都市名:ルー
アン
場所:ジャン ヌダルク教会
ジャンヌダルクが処刑された広場に建 つ教会。建物の中は円形レイアウト、私などはすぐどこをバージンロードに するのかなどと考えてしまう。教会は結婚式をするためのものでない!とい うことを痛感されられる。
ジャンヌダルクが火あぶりの刑に処せ られた場所の後には十字架の記念塔がある。
都市名:パリ
場所:ベルサイユ宮殿
ルイ14世の宮殿であるベルサイユ宮殿、写真は宮殿内のチャペル。世界一派 手に作ったつもりだろう。
都市名:パリ
場所:ノートルダム寺院
フランスカトリック総本山であり、ナ ポレオンの戴冠式が行われた場所でもある。
都市名:パリ
場所:サントシャペル教会
ノートルダム寺院そばにある。聖書の ストーリーが総てステンドグラスに描かれている。よって礼拝堂四方総てが ステンドステンドグラスいう珍しい教会。
都市名:パリ
場所:サンロック教会
ガイドブックではそれほど取り上げら れてもいなく、何気に立ち寄った教会だが、今回訪問した中では一番幻想的 なものであった。室内がこれだけ明るいということは窓が多く、つまり発達 した建築様式が取り入れられている。教会堂は重い石屋根を支えるため、強 い強度が要求される。古い教会ほど窓の数が少ない(強度が保てないため)。
左:聖壇を臨む 右:後方のパイプ オルガン
左:聖壇にはマリアと大天使と真ん中 に赤ちゃんイエス。午後の光が窓から入ると、このように聖壇を照らすよう に設計されている。 右:賛美歌の楽譜
左はステンドグラス。右は磔でなくなっ たイエスを白い布で包むという絵画。この絵を見て感じたことだが、この聖 なる白い布の白という色が、プロテスタントのバージンロードが白につなが るのではないだろうか?
尚、プロテスタント挙式でのバージン ロードが白であるという理由は様々な書物を読んでも私自身よく解らない。
都市名:パリ
場所:マドレーヌ寺院
長方形という大変珍しい建築物。また ローマ神殿を思わせる柱が内外問わずにある。これらの柱をつかう建築様式 はコリント様式と呼ばれる。室内では天窓を付け、明かりを取っている。
こちらも聖壇にはカトリックの象徴で あるマリアが供えられる。
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